日本人がよく手にしている馴染みのマカロンとは、正式にはマカロン・パリジャンと呼ばれるものなんです。

 

そんなマカロンが日本に来る前の歴史や由来について調べてみました。

 

調べていくうちにマカロンの種類には私たちが普段から食しているパリ風以外にも、地方によって様々なマカロンが存在していたんですね。

 

あなたはご存じだったでしょうか?

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マカロンの歴史、由来と種類は?

つるりとした表面とカラフルな色合い、2枚の生地でクリームがはさまれたシンプルで可愛いお菓子。

 

フランスを代表するお菓子として知られるマカロンは、見た目の可愛らしさと何個でも食べられる、サクサクの軽やかな食感が魅力ですよね。

 

その歴史は13世紀頃のアジアから始まりイタリアに伝えられたとされ、名前の由来はパスタの「マカロニ」からだったのです。

 

16世紀にイタリアのメディチ家からフランス国王アンリ2世に嫁いだ、カトリーヌ・ド・メディシスによってフランスに持ち込まれたと言われていますが、それ以前にも8世紀のロレーヌ地方の修道院で作られていたという説もあるのです。

 

基本のレシピで使われる材料は、卵白と砂糖、そしてアーモンドパウダーですが、フランス各地にはその地方独特の形と味わいをもつ種類があり、由来にも諸説あるのです。

 

ロレーヌ地方ナンシーの修道院で作られたとされる、マカロン・ド・ナンシーは表面がひび割れたクッキーのような素朴なお菓子、日本で見かけるつるっとした丸い形のお菓子とは見た目も味も全く異なります。

 

2枚の生地にクリームがはさまれたマカロンは、パリのロワイヤル通り16番地カフェに店を構える老舗パティスリー、ラデュレが発祥なのです。

日本でお馴染みのパリ風マカロン(マカロン・パリジャン)

日本で馴染み深いマカロンは、1862年創業の歴史有るパティスリー、パリの名店ラデュレで生まれたパリ風マカロンです。

 

製粉業を営んでいた創業者のルイ=エルネスト・ラデュレは、1862年にパリのロワイヤル通りに焼きたてパンを売るブランジェリーを開店、しかし1871年の火災で焼けてしまいます。

 

この火災をきっかけにブランジェリーから洋菓子専門のパティスリーに業務を変更するのです。

 

ラデュレはカフェとパティスリーを組み合わせたお菓子を楽しみながらお茶を飲むスタイルの、パリで最初の喫茶店サロン・ド・テ発祥の店としても知られています。

 

20世紀の中頃に、従弟にあたるピエール・デフォンテーヌが2枚のマカロンの間に、ガナッシュクリームをはさむことを提案して売り出したのがパリ風マカロンの始まり、現在でも当時のレシピがそのまま伝えられているのです。

 

固く泡立てたメレンゲにアーモンドパウダーと砂糖と加えて焼き上げた、ふんわりサクサクの2枚の生地の間に、ジャムやバタークリーム、ガナッシュがはさまれた、見た目も華やかなパステル調の可愛らしい色合いはパリ風マカロンならでは。

 

フランス各地の地方に伝わるマカロンは、それぞれ異なる特徴と味わいをもつのです。

マカロンの種類は各地方でこんなに違いがあった!

マカロン・ダミアン

出典:https://store.shopping.yahoo.co.jp/ventdorr/macarons-damiens.html

 

マカロン・ダミアンは、北フランスのピカルディー地方アミアンに伝わる種類です。

 

形はシンプルな円盤型、ハチミツが加えられているのが特徴です。

 

生地にハチミツを加えて1晩置き、棒状に練ったものを約1㎝の厚さに切って焼き上げるのです。ほのかなハチミツの素朴な甘味としっとりとした食感が特徴です。

マカロン・ド・サンデミリオン

出典:www.biroen.co.jp/blog/2006/07/post_54.html

 

甘口のワインを加えられているマカロン・ド・サンデミリオンには、13世紀にウルスラ会の修道女が作ったと伝えられています。ブドウ畑に囲まれたサンデミリオンは世界遺産に指定されているワインの村なのです。

 

クッキーのような平らな形で表面には亀裂が入り、ねっちりした柔らかい食感が特徴です。

 

フランスにはカヌレなども、修道院生まれのお菓子が多くあります。中世ヨーロッパでは各家庭にオーブンが無かったため、修道院や教会が農民に税としてバターやはちみつ、卵などを納めさせオーブンを使わせていました。

 

そのため修道院でたくさんの美味しいお菓子が作られ、広まっていったのです。

マカロン・ド・サンジャン=ド=リュズ

出典:www.squisito-sancha.com/2014/03/-saint-jean-de-luz.html

 

マカロン・ド・サンジャン=ド=リュズは、こんがりキツネ色の円盤型で表面はさっくり、中身はしっとり。

 

1660年にサンジャン=ド=リュズで、フランス国王ルイ14世とスペインの王女マリー・テレーズの結婚式が執り行われたときに菓子屋の「アダム」からお祝いに贈られ、王女は大いに喜び褒美を与えたと言われます。

 

アーモンドの香りが香ばしい、伝統の味は今も守られているのです。

まとめ

今回はマカロンの歴史や由来。マカロンの種類について調べてみました。

 

私たちが普段食べているマカロンは、カラフルでツヤのあるパリ風のマカロンが一般的になっていますが、ヨーロッパ地方は見た目がクッキーのような種類のマカロンが存在していました。

 

パリ風以外のマカロンはまだまだ日本に馴染みがありませんが、どれもふんわりした食感でおいしいと評判だそうですよ。

 

本場ヨーロッパのマカロンを一度でいいから食べてみたいですね。